南仏な会話 9



アヴィニョンからマルセーユまで乗った長距離列車はストラスブールか どっか、遠くから南下してきたものでした。最終行き先はニース。 (そのまま乗っていたい気もするが・・・)

バカンス期間に入っていて、外国人旅行者も多く、そこそこ混んでいます。 わたしは、10歳にも満たないおぼっちゃまの横の席に座ります。

「1人で旅行しているの?」
「うん」
「どこまで行くの?」
「アンティーブ」
「アンティーブ? 私はアンティーブが大好き。アンティーブのどこに 住んでいるの? 旧市街?」
「シュペル・アンティーブ」

「あっ、高いところだね」
「で、どこからアンティーブに帰るの?」
「ブージュ」
「それってどこの県?」
「   」

などと、会話の練習です。

この列車、マルセーユで方向を変えて2時間20分後にはアンティーブ。

「Antibes, Antibes, trois minutes d'arret.」
「アンティーブ、3分停車 アンテシーブです。」

この坊やはあのホームに飛び降りて、両親と抱き合うのだろうな。


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