南仏な会話 4



アヴィニョンでは、「ケバブサンドイッチ」を前日から目をつけて いました。で、お昼頃、街頭のキオスク風の店でそれを所望します。

「ポテトフライもつける?」と聞いてきます。 「タダならつけて」と私。 「タダなものなんてないよ」とお店。 「いや、サンドイッチに標準添付されているか、って聞いたんです よ」なんて伝わるわけないか。

注文を受けてから、天井からぶら下がっている肉の固まりをスライ スして作るので時間がかかるのですが、見ていて面白いです。

そこへ、若い女性が。 「何にしますか、マドモワゼル?」とお店の人。 彼女、答えて: 「Same thing.」と私のケバブサンドを指差します。(どうだ、うま そうだろう!)

ところであんた、アヴィニョンで same thing はないじゃろが! 「フランス語では meme chose というんだよ」と(これまたフランス 語で)親切に教えてあげた。

が、「いやなおじさん」という顔をされ て無視されてしまいました。

さて、公園のベンチで食べましょう。最初にアヴィニョンに来た時も ここでサンドイッチを食べたっけ、と昔を思い出します。 しかし、このケバブサンドは、極上においしいです。

ベンチのとなりに座った、くたびれた風のおじさんが話しかけてきます。 日本は人があくせくしてくるけど、南仏はゆったりしていていい、とか、 湿度が低くて気持ちいいとか・・・

そのうちに、なにか要求してきます。 「えっ? このサンドが食べたいの?」と確認します。 そうではなくて、「食べるために2フランくれないか」ということでした。 普通の物乞いは必ず無視しますが、この人とは少し話しをしたこともあっ て、数フランのコインをわたしました。仕事はショマージュだそうです (=失業中)。

この公園にはこういった人があちこちにいて、観光客と話しをしたりして いますが、けっして危ない雰囲気ではありません。時間をもてあましてい る純朴な人たち、というのが私の印象。(保証はしませんから、気をぬか ないでね)


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