南仏な会話 5



アプトの上にあるセニョンの村では、念願の Presbytere ホテルに泊 まります。 案内されたのは「ぶどうの部屋」。

夕食は、全員が中庭のテーブルについて一斉にとります。 うーん、空気は心地いいし、雰囲気もいいし、料理もいいし。

終わってから、ロビーで若夫婦とちょっと話しをします。となりのテ ーブルでドイツ語で話しをしていた人たちです。 「どちらから?」と私。 「スイスのチューリッヒからです」 なら、ということで、ここからは英語とフランス語の混成会話になり ます。

・アビニョンまでは列車で来て、そこでレンタカーをかりてきた。
・明日は、マノスク方面に向かう。
・フランスの料理はイタリアとならんでとてもおいしい。
・イギリスの料理は、まずい、と意気投合。(この下りは声を秘めま す。どこにイギリス人が隠れているかしれないから。)

さて、翌朝はチェックアウトです。ここのおやじとは「大事な話し」 がすんでいません。

そう、このおやじは、BS特集「プロヴァンスの夏」に登場するの です! 「このおやじのどこがマリークレールだと思ったら、やっぱり奥さ んの趣味だった。」と主役の千乃嬢に言わせています。

「数年前、NHKのチームが撮影に来たのを覚えていますか?」
「もちろん。カセットをもらいましたよ。」
「ああ、あなたもカセットをもらたのですか。Auberge de la Lube のモーリスを知っていますか。彼にも会ったのですが、彼もNHK からもらった、と言っていましたよ。」
「もちろんモーリスは知っています。」

そのあと彼は、「ほら、日本人も来ますよ」ホテルの落書帳を見せ てくれました。たしかに、ところどころに日本語による書き込みが ありました。いずれもこのホテルに関する賛辞が書かれていました。
「女性が多いですね」と私。 「日本のお客様はほとんど女性ですよ」とおやじ。 私は例外のようでした。


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