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26 ブエノスアイレス! 


 この船、時速にすると60キロ以上で爆走するので、ものすごい波しぶきをあげます。 これが船体に大雨のように降りそそいてくるのです。でも、それだけではなくて強い雨 も降ってきたみたいで、視界がとても悪くなります。
 まあ、その嵐も通り過ぎ、じっと目を凝らすと、はるか前方、ま正面に摩天楼群が見え ます。あれが、あこがれのブエノスアイレスだ! 
 到着予定は18時ですが、19時20分ころになってやっとはるか先のま正面に摩天 楼のようなものが見え始めます。あれぞ、まちがいなくブエノスアイレス。このころ には嵐のような雨も終わり、太陽が現れてきました。
 それにしても船足の遅いこと。はやる気持ちとは別にブエノスアイレスはなかなか近 づいてきません。これと平行して太陽がどんどんブエノスアイレスの上におりてきま す。その太陽がビルの間に沈むとき、船は入港しました。
 バゲージクレームの部屋から出たところできょろきょろすると、私の名前を呼ぶ鋭い 声が! ついに会えたぞ、ルーカス。40年あまりにわたり、成長〔+老化?)のプロ セスを写真で見て来たとおりの2人。はじめて、しっかり抱きあったのでした。
 それにしても、私たちが文通を始めたのは2人が14歳の時。地図を見ながら、その遠さ を実感し、まさか将来会うことが出来る確率は限りなくゼロに近かった。それが、ここ に実現している。ここははるかブエノスアイレスの地! 14歳というのは、それぞれの配偶者よりながいつきあい期間なのです。そして、 それぞれの子どもたちはとっくに当時の我々より大きく育っています。
 初日は、私も疲れているし、時間も遅いので、そのまま市心のホテルに送ってもらって お別れ。それにしても、ブエノスアイレスは大きな都会ですね。なかなかホテルに着き ません。


ブエノスアイレスのスカイライン