不発におわったarikoさんとのrendez-vousのお話しです。
arikoさんご夫妻は先に東欧に入り、イタリアからニース、エクス、ディジョン経由でパリへ入る。わたしは、遅れてパリからアルル、リュベロン、エクス、ニースと移動する予定でした。日程を確かめると、丁度エクスでクロスするので、23日、エクスで会いましょう、ということでしめしあわせた。もちろんPC、モデムはもたないし、宿も出たとこ勝負。で、勝手ながら、リヨンに住むT&Vさんに伝言板役をお願いしたのでした。
まだ余裕があるけど連絡がきているかな、と21日にアルルからT&Vさんに電話すると、なんとarikoさんはすでにエクスに入っており、明日の朝、ディジョンに向かうという。話しが違うぞ!
T&Vさんはエクスのホテルの番号をくれる。
さっそく、ホテルに電話して、
「arikoさんご夫妻、お願いします。a-r-i-k-oです。」と告げる。
「そのような人は泊まっておりません」
「そんなはずない。よく調べてください。昨夜は泊まってませんか」
「調べたけど、いませんよ。予定が遅れているんではないですか?」
「いいかげんなこというな!(とはいわなかった)」
これではラチがあかない。
次の日、リュベロンの民宿につくと、奥さんのベロニクが「ディジョンの
ariko さんという方から、電話がありましたよ。」という。やっぱりエクスは発ったのか。なにがあったんだろう?
夕食に出かける前にベロニクに「もし彼女からもう一度電話があったら、番号を聞いておいてください。」と頼んでおいた。
10時ころ、ボーニュのレストランからカンペキな酔っ払い運転でもどると、部屋のドアにベロニクからのメモがある。ariko
さんの電話番号が書いてある。民宿の辛さ、電話は村の公衆電話までいかなければかけられない。再度車をだして、公民館の前の唯一の電話ボックスへ向かう。この電話、停電に強いタイプで、照明もなければカードもつかえない。車のライトで照らしながらコインでかける。
90 ** ** **
「残念ながら、フランステレコムはあなたが入力した番号におつなぎ出来ません」
何だって? フランステレコムまでが2人の仲の邪魔をする気か! でも、どうして主語が「フランステレコム」なんだろう。日本でもアメリカでも主語は「おかけになった番号」なんだぞ。
それはそれとして、なぜかからないんだろう? 最初の数字は9ではないんだろうか? ミシュランの赤を出してディジョンの市外局番をしらべる。あっ、8だ。だったら、8らしく切れめなしに書けって、ベロニク。
80 ** ** **
こんどはかかった。 「110号室、お願いします」
出てきた、arikoさん! やっと本物をつかまえたぞ!
話しによると、イタリアでストにやられて、観光もそこそこに予定を早めてフランスにはいったという。それではしかたなかろう。東京での再会を約束して、おやすみ、と言った。
かくして、「世紀の南仏 rendez-vous 計画」は失敗に終ったのでした。
PS
東京でarikoさんにお会いしたら、エクスのホテルに姓と名を逆に記帳したかもしれないということでした。
「違うんですう。チャンと書いたんですけど、レセプションのお兄さんが勘違いしてて、朝食チケット(此処はチケット制)にも,領収書にもarikoの名の方を書いていたのでした。私は無実じゃ〜。信じて〜」
というのが、arikoさんからのコメントでした。
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1997年9月、この電話ボックスを現場検証してきました。ボックスはそのままの位置にありましたが、カードの使えるあたらしい方式に変わっていました。きっと、照明もついたことでしょう。
ところで、最近になって、これが「プロヴァンスの12ヶ月にちらっと登場する事を発見! |