さて、Ramatuelleまではバスで移動してもいいが、まだ時間があるので歩くことにする。
もう丘陵地帯の上に出たので、森の中の軽い上り下りの道だ。まわりの地中海式の植性は、カリフォルニアにとても良く似ている。
1時間以上あるいてもRamatuelleにつかないのでちょっと不安になってくる。
と思ったとたん、下りのコーナーを回ると、眼下にオレンジ色の屋根がぎっしりならんだ集落が。ついた!
残念ながら、道の脇にはいつも木が生えており、集落を一望のもとに、という展望場所がない。
この集落は、一応、鷹巣集落なのだが、急斜面ではなく丘陵地帯に立地しているので、ニース付近の集落のようなすごみはない。
ここの広場のカフェのテラスで「南仏にいる」というその雰囲気に浸る。なんといっても入ってくる会話の「南仏なまり」が強烈なのだ。
16時のSt.Tropez行きのバスは、村外れの駐車場から出る。 「St.Tropez行きのバスはどこからでますか?」と聞くと、「ああ、16時のバスだね」とみんなダイヤまで知っている。
そのわりには乗客はほかに1人しかいなかったし、この人もすぐに下りていった。で、バスは私だけをのせて、ぶどう畑の中をすべるように下りてSt.Tropezへ。
サントロペは、名前がしれているわりには趣きのない港町だ。
やけに観光客が、しかも外国人が多いが、なんといっても旧港一帯が舗装大工事しているのが残念だ。
旧港は、ガイドブックの写真のとおり、建物が港まで迫っていて、絵のような雰囲気を作っているが、それはその限られた部分だけだ。
それに比べると、裏手の旧市街はけっこう趣きがある。そして、何にもましてよかったのは大きな広場。夕方だったので、おおぜいの男たちがペタングをやっていた。かたわらのカフェでにがいエスプレッソをのみながら「カツン」というブールの音を聞くは、まさに「南仏しているだなあ」という気分に浸れる。
帰りのバスは、定刻18時55分にSt.Raphaelについた。列車は20時28分にしてここで夕食を取ろう。旧港のガラスばりのレストランに入り、お魚料理を所望する。
ロケーションのいいレストランの料理は、たいしたことはない。このルールはけっこうあたる。
20時30分の列車は、ボルドー始発だった・・・ |
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