山奥の村、ビュース(Buoux)にあるモーリスの店、オーベルジュ・ドゥ・ラ・リューブ
Auberge de la Lube は「プロヴァンスの12ヶ月」で有名になり、ついでにBSの番組では千乃嬢が食事をし、そのあと馬車に乗せてもらっている。
「6月になったらもう一度おいで。ラベンダーの紫は君によく似合うよ」
「私はちょっとふらっとしてしまいました
久保田さんのおすすめもあり、民宿の奥さんに予約を入れてもらって Auberge
de la Lube で夕食にする。ここは、民宿から歩いてなら7分くらい。でも、夜は真っ暗なので車で出かける。
前菜は、BSの番組でも紹介されているとおり、プレートにたくさん(番組では14といっていた)の小皿、小壺が出てくる。
パテ、つけもの、野菜、小魚、ドレッシング、タコ、豆など、「山海の珍味」が揃っている。味は、しつこいくせがない。久保田さんのすすめもあり、飲み物はシャトーヌフの赤。ハーフボトルを全部空けることが出来ない私です。
メインは鳥の料理。ニワトリではないのだが、どんな鳥なのか忘れた。というか、メニューが十分に解読できなかった。しかし、この選択は「あたり」で、とにかくデリケートな味は日本人にもよくあっていた。デザートとチーズが選択式ではなく、デフォルトで決まっていたのが助かった。
客は、私を入れて3組だけだったせいか、モーリスはキッチンから出てきて、1組の客としゃべってばかりいた。
それにしてもすごいなまりだ。 たべきれないチーズをつつんでもらって、そろそろいおいとまだ。 でも、せっかくここまで来たんだから、モーリスと話しをしておかねば。
S 「このお店が日本のテレビに出たのは知っていますよね。わたしはその番組が好きで、録画を何回も繰り返して見ているんですよ」
M 「そう、あれはきれいな番組でした。わたしはビデオテープをもらって、もっていますよ」
S 「えっ、テープを持っているんですか。ところで、彼女はもう一度来ましたか?」
と、わたしは「ちょっとふらっとしてしまいました」を思い出しながら言った。
M 「いいえ。来ませんね」
S 「今頃、東京にいるんでしょうね」
M 「彼女はとてもサンパで、きれいでした」
S 「そう、きれいでしたね」
と、日・仏のオジサンは、ひとりの女性を介して意気投合し、固く握手を交わしたのでした。
それにしても、NHKがフランスのTV方式に変換してまでしてテープを渡したとは、ちょっと意外だった。では、ごちそう様でした。おやすみなさい。 |