結局、この旅行にでかけることが決定したのは出発の前日でした。
1月前から予約を入れていたサベナ航空の席が最後まで取れなかったのです。あきらめていたところ、東京の妹がHISにかけこんで、「いまからでも手に入る
パリ行きチケット」を探してもらい、すんでのところでホンコン経由のCX便(キャセイ)を確保したのでした。
パリからはTGVでリヨンへ入り、NiftyServeでのお友達、T&Vさんにリヨンの街を案内していただきました。歴史の街リヨンは、小雨に煙って
いました。
リヨンからアルルへの国鉄での移動は、あらかじめトマス・クックで「たくさんある」ことを確認しただけで、コピーも持たずに気軽に
Lyon Part-Dieu 駅に行きました。
「アルル1枚」といったら、指定席でもないのに、!9時台発のキップをくれた。まだ2時間もある。
掲示を見ると17:17にトゥールーズ行きがある。方角としてはアルルと同じなので、案内で聞いてみる。キーボードをたたいた後、「このトゥールーズ行
きでニームまで行って、ニームからアルルへ引き返しなさい」といいながらプリントアウトをくれる。
線路は、アビニョンのさき、タラスコンでトゥールーズ方面(スペインに至る)とマルセーユ方面(イタリアに至る)に分岐するが、この列車はタラ
スコンにとまらない。アルルはタラスコンより1つマルセーユ寄りにある。案内係は「証明してあげる」といってキップの裏側になにやら書いた。わたしは、
19時のキップで17時の列車に乗れるようにしてくれたものだと合点した。(注)
列車はローヌ川にそって南下する。プロヴァンスに近づくにしたがって、天気が良くなり、ついにぶどう畑の向こうに沈む夕日まで見ることが出来た。明日か
らは南仏らしく晴れるだろう。
列車に乗ったものの、わたしはどうしてもタラスコン・ニーム間の無駄な往復が気に入らない。どうしてアビニョンで乗り換え・接続が出来ないのだろう。その
ことばかり考えて、案内の忠告を無視してアビニョンで降りた。
時刻表示を見ると21時ころにマルセーユ行きがある。アビニョンの案内でそれがアルルに止るかきいたら、nonだった。
「だったら、アルルへ行くにはどうすればよいの?」
「あした」
えっ、まだ19時30分だよ、アルルはとなり町だよ! (実は、ストなんでした
。)
で、急遽、前に泊まったことのある駅前のビジネスホテルに泊まることにしました。
フランス初めての夜、旅装をといてから、街へ散策に出かける。
前に来たときは暑い夏の日だったが、今夜も3月にしては決して寒くはない。そう、まだミストラルは吹いていなかった。
メインストリートを法王庁の広場まで歩く。ライトアップされた法王庁は、やっぱりでかい。夜の広場は人っ子2、3人しかいない。
レーザーカラオケをやっているバーがあった。店のお兄さんが歌いながら客を誘うのだけど、そのお兄さんがセミプロでうまい。つい、ひきこまれて、なかへ
入り、ビールをのみながら、「ついにフランスへやってきたんだ」という感慨にふける。やはり、アビニョンは好きな街だ。
(注) あとで考えたんだが、キップの範囲を越えたタラスコン−ニーム間をのってもいいよ、という証明らしい。 |
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アルルのローマの遺跡
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