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6 クリストッフとキャロル 



クリストッフ わたしもキミには感激したよ。ハンブルグにいながら15才から海外への留学をくりかえし、世の中のメカニズムを深く洞察している。

夕日をみるために海岸へいったら、一人で新聞を読んでいたキミ。まったく偶然だったね。 結局、そのあとキャフェへいき、看板まで話し込んだね。でも、英語だと、お互い、とてもよく意志が通じ合ったりして。

「日本から単独でやってきたシンとトモコを見て、わたしの日本人観がかわったよ」といってくれた。「その年齢で、フランスまできて勉強しようというその柔軟な考えに打たれた。」とも。うれしいことを言ってくれる。やっぱり、わたしはちょっとかわっているかな。

「フィアンセが新居を見つけた、といっている」とのこと。お幸せに。

キャロル 私はキミとおなじクラスでたのしかったよ。 昨年夏に訪れたスコットランドの人達のやさしい人情とオーバラップしてくる。これをScottish Hospitalityよぶのだろうか。 キミはいったね。「私達は、子供のころからつねに人に何かを与える(してあげる)ということをしこまれるのです」と。

スコットランドから出たことのない、田舎育ちのキミがどんな理由からか、ニースにフランス男とすむことになり、学生時代は大嫌いだったフランス語の必要にせまられている。そして、いまはとてもホームシックだという。

名詞にはいちいち性があり、それらは規則ではなく、個別におぼえるよりほかはない、と知ったときのキミの新鮮な驚きと戸惑い。

複雑な動詞の語尾変化に「私はできの悪い生徒。とてもダメだわ。」と英語で弱音をはいたとき、みんなではげましたりして。

でも、わたしは、コーヒーブレークに英語で楽しく雑談できて、楽しかった。早く、自分の名前の r が正しく発音できるようになってね。それから、sur la rue もね。

キミの思い出に、私はフランス製のスコットランド民謡のCDを買ったよ。